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スリット加工の依頼前に押さえるべき3つのポイント【業者選び・見積もりのコツ】

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スリット加工の依頼前に押さえるべき3つのポイント【業者選び・見積もりのコツ】

# スリット加工を依頼する前に知っておきたい3つのポイント

## 1. スリット加工とは何か、どんな時に必要になるのか

スリット加工とは、フィルムやテープ、紙、金属シートなどの素材を、細長く切断する加工技術のことです。ロール状に巻かれた幅の広い素材を、必要な幅に切り分けて複数の細いロールにするイメージを持っていただくとわかりやすいでしょう。

私たちの身の回りには、スリット加工された製品が数多く存在しています。例えば、梱包用のテープ、食品を包むラップフィルム、工業製品に使われる両面テープ、さらには電子機器に使用される絶縁フィルムなども、元は大きな幅の素材をスリット加工して作られています。

製造業においてスリット加工が必要になるケースは主に2つあります。1つ目は、製品の仕様に合わせた幅にするため。例えば、20mm幅のテープを製造したい場合、1メートル幅の原反(※げんたん:加工前の元となる素材のこと)から、20mm幅のテープを複数本同時に切り出すことで効率的に生産できます。

2つ目は、コスト削減のためです。素材メーカーから購入する原反は通常、大きな幅で供給されます。自社で必要な幅に加工することで、材料費を抑えられる場合があります。また、複数の製品に異なる幅が必要な場合も、1つの原反から様々な幅を切り出せるため、在庫管理の効率化にもつながります。

## 2. 加工業者を選ぶ際の重要な判断基準

スリット加工の依頼先を選ぶ際には、いくつかの重要なチェックポイントがあります。これらを事前に確認することで、後々のトラブルを防ぎ、満足のいく結果を得ることができます。

**対応可能な素材と厚みの確認**
まず最も重要なのは、あなたが加工したい素材に対応しているかどうかです。スリット加工業者によって得意とする素材は異なります。フィルム専門、紙専門、金属箔専門など、それぞれに特化した設備と技術を持っています。また、素材の厚みも重要な要素です。薄いフィルムは繊細な取り扱いが必要で、厚い素材は強力な切断力が求められます。業者に問い合わせる際は、素材の種類と厚みを明確に伝えましょう。

**最小ロット数と納期**
小ロット対応が可能かどうかも重要なポイントです。大手の加工業者は大量生産に特化しており、少量の依頼では割高になったり、そもそも受け付けていない場合もあります。試作段階や小規模生産の場合は、小ロット対応を明記している業者を選ぶと良いでしょう。また、納期についても事前に確認が必要です。繁忙期には通常より時間がかかることもあります。

**精度と品質管理体制**
スリット加工の精度は製品の品質を大きく左右します。幅の精度がどの程度保証されるのか、エッジ(切断面)の仕上がり品質はどうか、といった点を確認しましょう。±0.5mmの精度で十分な用途もあれば、±0.1mm以下の高精度が求められる用途もあります。品質管理体制がしっかりしている業者は、加工後の検査方法や不良品が出た場合の対応についても明確な基準を持っています。

**設備と技術力**
スリット加工には様々な方式があり、カミソリ刃方式、シャー刃方式、レーザー方式などがあります。それぞれに向き不向きがあり、柔らかい素材には適しているが硬い素材には不向き、といった特性があります。業者がどのような設備を保有し、どのような素材に強みがあるかを把握することは、適切な依頼先選びにつながります。

## 3. 見積もり依頼時に伝えるべき情報と注意点

スムーズに見積もりを取得し、正確な金額と納期の提示を受けるためには、必要な情報を漏れなく伝えることが重要です。

**基本情報として必要な項目**
まず、素材の種類と厚みは必須情報です。「PETフィルム 50μm(ミクロン)」「クラフト紙 80g/㎡」といった具体的な情報を伝えましょう。次に、現在の原反の幅と、希望する仕上がり幅を明記します。例えば「1000mm幅から50mm幅×19本」といった形です。また、必要な長さ(メートル数)と数量も重要です。

**見落としがちな重要事項**
意外と見落とされるのが、巻き方向や巻き芯の指定です。素材には表裏や目(繊維の方向)がある場合があり、これが製品の性能に影響することがあります。また、仕上がり時の巻き芯の内径(例:3インチ、6インチ)も指定が必要です。さらに、納品形態(個別包装の有無、パレット積みなど)も事前に伝えておくと、追加費用の発生を防げます。

**コミュニケーションのコツ**
初めて依頼する場合は、用途や最終製品について簡単に説明すると、業者側から適切なアドバイスをもらえることがあります。「こういう使い方なら、この幅よりもこちらの方が歩留まりが良いですよ」といった提案を受けられる可能性もあります。また、複数社から見積もりを取る際は、条件を統一することで正確な比較ができます。

信頼できるスリット加工業者との出会いは、製品の品質向上とコスト削減の両方に貢献します。これらのポイントを押さえて、最適なパートナーを見つけてください。

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